✔︎口臭がずっと治らない…
✔︎口臭がおならの臭いがする…
✔︎この頃便秘が続いている…
これらに当てはまる人の口臭の原因は「腸」であるかもしれません。
今までいろんな方法を試して来てもなかなか口臭が改善されない方も、口臭の原因が特定できれば口臭は改善することができます。
この記事は、口臭が治らない人向けに、腸が原因の場合の口臭について書いています。
自分の今の口臭と比較して原因を究明していきましょう!
1.腸と口臭の関係
腸が不調になることで、口臭が引き起こされる場合があります。その場合、歯磨きやマウスウォッシュなどでは口臭を改善することはできません。長い間口臭で悩んでいたり、様々な口臭対策をしてきたのにも関わらず一向に口臭が改善しなかったりする場合は、原因の特定を間違っていることが多いです。反対に、口臭が改善されないストレスで口臭がより悪化してしまうこともあります。原因を究明することで口臭をとうまくつきあいましょう。
この章では、腸が原因で口臭が起こっている場合の症状と、腸の不調を整える方法について書いています。
腸が原因のとき
腸が原因で口臭が引き起こされているとき、おならの臭いの口臭になります。おならの臭いの口臭がする場合は、消化器系の調子が悪くなっているときで、腸だけでなく胃が原因になっている場合があります。実は胃が原因になっている場合の方が深刻な病気である可能性が高く、注意すべきです。胃が原因の場合については下の「胃が原因で消化不良が起きている場合」で詳しく述べています。
(1)考えられる病気について
腸の場合は病気というよりかは、腸内環境が悪くなり、便秘になることで口臭が引き起こされます。腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが悪くなり、悪玉菌が優勢になると、大腸に便が残る「便秘」が引き起こされます。便秘は、悪玉菌の出す毒性物質により腸管が麻痺し、大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を鈍くしてしまうのです。
便秘は、腸内環境が悪くなることで起こる初期の症状です。便秘になったあと、腸内ではさらに悪玉菌が活発に働き、アンモニアやアミンなどの腐敗物や有毒ガスが発生します。これは臭いおならや便の原因であるだけではなく、腸の粘膜の毛細血管をとおして全身にまわってしまいます。この臭いが肺に行き着くと口臭となって外に出てしまいます。
また、下痢が口臭の悪化に繋がっていることもあります。下痢は、便秘とは逆に蠕動運動が活発になりすぎることで起こります。悪玉菌が作り出す大量の有害物質を早く排出しようとするのがその一因で、大腸で水分が十分に吸収されず、便が柔らかくなります。便が流されすぎて、善玉菌も体外に排出されるようになると、腸内環境が悪化する悪循環に陥ってしまいます。
(2)腸内環境が悪化する原因
便秘や下痢を引き起こす原因について分析しました。
以下が腸内環境を悪化させる主な原因です。
✔︎偏った食事(野菜や乳製品を食べない)
✔︎運動不足
✔︎朝ごはんを食べない
✔︎水分補給をあまりしない
(3)対策法について
腸内環境を改善する方法は3つあります。一つ目は善玉菌を積極的に摂取することです。善玉菌には「乳酸菌」や「ビフィズス菌」があります。腸内に住みつき、腸内環境を改善してくれる細菌です。乳酸菌とビフィズス菌は善玉菌の一種で、糖類を分解して乳酸を作り出します(ビフィズス菌が酢酸も作り出します)。腸内フローラ(腸内の細菌)のバランスを整え、腸内環境が改善されます。
また、腸の調子を整える生活習慣をすることも大事です。適度に運動をして、十分に睡眠をとることで、腸の調子を整えることができます。また朝ごはんをしっかり食べ、その時間を毎日一定にすることで、排便の時間を体に覚えさせることができます。
※胃が原因で消化不良が起きている場合
消化不良で口から食べ物の発酵臭がするとき、それは胃の消化不良かもしれません。何らかの疾患で胃酸の分泌量が減っていたり、逆に分泌量が多すぎたりしているからです。
胃が原因で口臭が引き起こされている場合は、深刻な病気が原因である可能性があるので、腸が原因である場合と比較して、自分がそれぞれに当てはまっているか確認しましょう。
(1)考えられる病気について
胃炎と胃がんの可能性があります。胃炎や胃がんによって胃の機能が衰えると、口臭の悪化につながります。
胃炎
ストレスやピロリ菌などの細菌によって胃粘膜が炎症を起こして発症する病気のことを言います。急性胃炎・慢性胃炎の2つに分かれ、前者はストレス、後者は細菌が原因で発症することが多いです。
胃酸不足で食べた物が消化されにくくなると、食べ物が未消化のまま胃の中に長く停滞してしまいます。すると、本来腸で行われている食べ物の発酵が胃で行われます。この時に発酵臭が発生し、それが肺に入ってしまうと呼吸時に発酵臭がしてしまいます。その発酵臭が口臭になります。発酵臭は卵が腐ったようなにおいや、おならのような臭いと表現され、ひどい悪臭になります。
胃がん
胃がんは日本人がもっとも多くかかるがんとされています。男性はおよそ9人に1人、女性はおよそ18人に1 人が、胃がんと診断されています。
胃がんは、刺激の強い食べ物を食べるときのストレスがきっかけで発症することが多いです。過剰な塩分摂取、肉や魚の焦げ、喫煙、過度の飲酒が主な原因になります。夜食、早食い、食べ過ぎといった不規則な食習慣も胃に負担をかけます。
(2)症状
胃炎や胃がんと同じような症状がないか確認しましょう。
胃炎
急性胃炎:みぞおちがキリキリ痛む、食欲不振・吐き気など
慢性胃炎:胃もたれ・胃痛・胸やけ・げっぷなどが1ヶ月以上続く
胃がん
初期には胃がん特有の症状はありません。
胃が重たい感じ、食欲不振といった症状が長く続くようなら検査を受けて早期発見に努めるようにしましょう。
(3)病気ごとの治療方法について
治療方法はそれぞれの重度によって異なりますが、一般的な治療方法についてまとめました。
胃炎
急性胃炎:ストレスが原因の場合は、直接そのストレスを溜めないようにするか、ストレスを発散するようにしましょう。ストレスの発散方法として、定期的に休息を取ること、適宜運動すること、充分な睡眠を確保することが大切です。
また、急性胃炎の多くの場合は、胃の安静を保つことで自然と改善されます。症状の程度に合わせて、点滴や制酸薬、胃粘膜保護薬などの薬が処方されることがあります。
慢性胃炎:基本的にピロリ菌などの除菌療法がされます。ピロリ菌の除菌により逆流性食道炎などの悪化が見られることがあるため、ほかの基礎疾患を有している方に対しては注意が必要です。自分では治療することができないので、近くの医院にみてもらうようにしましょう。
胃がん
胃がんの代表的な治療方法は胃を切除する手術です。がんのある部位と病期(ステージ)の両方から判断して手術をします。胃の切除だけでなく、転移しないようにリンパ節を切断したり、切除した際に途切れた消化管をつなぎ合わせたりします。他にもがん自体の進行を抑え、延命および症状を軽減することを目標にして、化学療法が取られる時もあります。
2.口臭の原因
口臭の種類一覧
口臭には種類があります。口臭の全体像を把握しておくことで、より効果的な対策をすることができます。自分の口臭の原因が腸や胃にあるかもしれないと思った人も口臭の種類について目を通しておくことをおすすめします。
▼表1 口臭の種類とその原因・対策など
身体的口臭 |
病的口臭 |
食べ物由来の口臭 |
|
主な原因 |
口の乾燥 唾液の分泌量の低下 |
それぞれの病気
(下の表2参照) |
においの強い食べ物の摂取 |
主な対策 |
水分補給 唾液腺マッサージ 鼻呼吸etc |
それぞれの病気で
異なる |
においの強い食べ物を避ける 口臭スプレー 歯磨きetc |
備考 | ・唾液が少なくなる起床直後、空腹時、緊張時にきつくなる。
性別や民族なので異なる。 ・口臭は一時的 |
・90%以上は口内環境の悪化に原因がある。(歯周病、むし歯、歯垢、歯石、舌苔、唾液の減少etc)
・病気が治るまで口臭が続く |
・食べ物はにんにくやニラ、タバコやアルコールなど
・消化するときに、成分が血液に溶け出し、肺を通して呼気から排出され口臭になる。 ・口臭は一時的 |
割合 |
90% |
10% |
ー |
その他の病気と口臭の関係
その他の病気と口臭の関係について考えてみましょう。病気によって口臭の臭いが異なります。腸や胃が原因ではないことがわかった人も、自分の臭いを分析して他の病気を疑ってみる必要があります。口臭で重大な病気も早期発見することができます。
▼表2 口臭の臭いと原因の関係
におい |
原因 |
タンパク質が腐ったにおい (卵が腐ったにおい) |
呼吸器の病気
(肺がん、肺腫瘍) |
消化器の病気 (胃がん、食道気管) |
|
耳や鼻の病気 (扁桃炎) |
|
アンモニアのにおい |
肝臓の病気 (肝硬変、肝がん) |
おならのようなにおい |
消化器の病気 (胃がん、食道気管) |
ケトン臭 (甘酸っぱいにおい) |
糖尿病 |
魚のにおい |
トリメチルアミン尿症 (遺伝的に特定のアミノ酸を分解できない病気) |
腐った玉ねぎのにおい |
歯周病、歯肉炎 |
血生臭いにおい |
歯周病 |
ドブ臭いにおい |
舌苔 |
卵が腐ったにおい (他の口臭と比べて弱め) |
生理的口臭 |
にんにく,納豆,タバコなど
その食べ物特有のにおい |
においの強い食べ物 |
・卵が腐ったような臭いは、もしかすると消化器や呼吸器の不調かもしれません。胃が原因の場合、胃潰瘍、または十二指腸潰瘍だと、胃の中で発生した物質が血液にのって肺に達したとき、口から臭いが出るのだといいます。
・おならのような臭いについては、今回の記事に書いた胃腸が原因であることが多いです。特に胃が原因の場合は病気である可能性があるので、病院に診てもらうようにしましょう。
・甘酸っぱく、腐ったような臭いがする場合は、糖尿病が原因かもしれません。アセトン臭と呼ばれています。
・魚の臭いがするときは、トリメチルアミン尿症の可能性があります。遺伝的に特定のアミノ酸を分解できない病気なので、疑いがある場合は病院へ行くことをお勧めします。
・腐った玉ねぎのにおいや血生臭い臭いの時は、歯や歯茎の病気であることが多いです。唾液の分泌量の低下やドライマウスなど、様々な原因が考えられます。
・ドブ臭いにおいがする時は、舌に舌苔と呼ばれる白い物質が付着している時があります。優しく舌磨きをして取り除くようにしましょう。
・生理的な口臭はあまり強くありません。もし臭う場合は温泉街のような、卵が腐ったにおいがします。
・食べ物が由来の口臭も食べ物によってそれぞれです。臭いの強い食べ物も取りながら、うまく口臭と付き合うことが大切です。
緑のアンダーラインで引かれている原因の可能性がある場合は、深刻な病気にかかっている可能性があるので、医者に診てもらうなど早めに行動をうつすことをお勧めします。自分の口臭のにおいから、原因を予想し、病気の早期発見に努めましょう。
3.まとめ
✔︎便秘や下痢が原因で口臭が引き起こされている
✔︎善玉菌を含む食べものや腸内環境を整える生活習慣にすることが大事
✔︎おならの臭いの口臭は胃が原因の場合がある
✔︎腸や胃が原因でなかったら他の病気の可能性がある
腸の調子は口臭に限らず、腹痛や体臭など他のコンディションにも影響が出てきます。日頃から腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを整えましょう。また、腸が原因でないとわかった人も、口臭が長い間治らなかったり、いろんな対策をしてみてもなかなか治らなかったり、特におならのにおいの口臭がする人は消化器官に問題がある場合が多いです。ぜひ納得いくまで考えましょう。
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